机上の星

暦を読みましょう

納めの不動

柴灯大護摩


12月28日は納めの不動でした。
成田山新勝寺では柴灯大護摩供が行われました。
本来は深山幽谷で行なう行事で、
山伏姿の僧侶が、斧で木を伐り、刀で九字を切り、
矢を射て四方に結界を張る、一連が所作で表され、
いよいよ火が点けられます。
お焚き上げされたお札は3万枚もあったそうです。

 

えと(2)負の時間

干支は、甲子(きのえね)に始まり、次は乙丑(きのとうし)、

丙寅、丁卯・・と続きます。
きのえ(木の兄)は陽で、きのと(木の弟)は陰です。
兄弟で「えと」なら、えとは干支ではなく「干」だけを指すようにも思いますが、
ともあれ、干に陰陽があるなら、十二支も陰陽に分けられており、
甲子は陽陽、乙丑は陰陰の組み合わせです。
10干×12支=120の組み合わせではなく六十干支なのは、
陽陰、陰陽の組み合わせは用いないからです。
陽がプラス+、陰がマイナス-と考えると、
+×+=+、-×-=+ですが、
+×-では、-になってしまいます。
少なくとも三次元のこの世では、時間はプラスの方向にしか流れません。
不可逆性というのでしょうか。
では、マイナス負の時間は存在しないのかと考えますと、
記憶や思い出の中には、過去の時間も存在しているように思えます。
時間どころか、空間もどんなに離れていても心の中ではひとっ飛びできますね。

えと(1)

来年令和6年のえとは?と聞かれたら、

多くの人が「辰年」と答えるのではないでしょうか。
でも「えと」と入力して、漢字変換すると「干支」と

スマートフォンやパソコンで出てきませんか?

「干支」は十干十二支の組み合わせで、来年の干支は「甲辰(きのえたつ)」です。
干支は年だけでなく、月や日にもあり、

令和5年の12月は「甲子(きのえね)」の月です。
これはどこかで見たことがありますね。
高校野球でおなじみの「甲子園(こうしえん)球場」の竣工は

1924年大正13年)は甲子の年でした。

甲(きのえ)乙(きのと)丙(ひのえ)丁(ひのと)・・・の十干と
丑寅卯・・・の十二支の組合せなら、10×12で120ありそうですが、
現実にこの世で用いる干支は10と12の最小公倍数、60パターンです。

こと始め

12月13日は「こと始め」です。
納めの〇〇、終い天神、などが並ぶ師走の暦に
どうして「こと始め」なのかと思いましたら、
「正月こと始め」で、お正月の準備にとりかかる日だそうです。
寺院で仏像のすす払いのニュースも聞こえてきますね。

ご縁日


毎月25日は天神様のご縁日です。
暦には縁日や各地のお祭りも書かれています。
師走となれば、納めの薬師、納めの観音、終い天神、納めの不動、など
こと納めも人間界だけではないようです。

憂国忌

11月25日は、三島由紀夫の「憂国忌」でした。
暦には、さまざまな「忌」が書かれています。
日にちが近いところでは、
11月19日は「一茶忌」、11月28日は「親鸞聖人忌」。

1年の暦を見れば「利休忌」や「芭蕉忌」もどこかに見つかります。
芭蕉忌や憂国忌は、俳句の季語にも使われます。

埴谷雄高は「アンドロメダ忌」、芥川龍之介は「河童忌」と
作家は作品にちなんだ呼称がつけられるようですね。

おしゃべりな暦

来年の手帳やカレンダーが販売される季節になりました。
西暦のカレンダーは、月日の数字と曜日だけのものが主ですが、
日本のいわゆる『こよみ』は、実にさまざまな文字が書かれています。
例えば、これを書いている今日は
2023年令和5年11月28日火曜日で、
そこには「かのえとら」「七赤」「先勝」「たいら」「室」etc.とあります。
数字だけに比べて、なんと雄弁なことでしょう。